DIE WITH ZERO/ビル・パーキンス【感想・レビュー】

あなたは老後のための貯金をしていますか?

 

アリとキリギリスの寓話では、冬のために働き続けていたアリは生き残り、遊んでいただけだったキリギリスは死んでしまいます。

 

一見、アリが正しいように見えますが、考えてみてください。

 

アリはいつ遊んでいたのでしょう?

 

『DIE WITH ZERO』は、そんな疑問をあなたに投げかける本です。

 

アリのように働くことが美徳とされている常識をぶち壊すような読書体験ができました。

 

当記事では、この本から得た学びと感想をまとめています。

 

 

ゼロで死ね

 

この本は「ゼロで死ね」のその一言に尽きます。

 

ゼロにするのはお金のこと。

 

老後のためにお金を貯めることも重要ですが、若い内からお金を使って「思い出作り」をしていくことの重要性を説いています。

 

経験に惜しまずお金を使うべき

 

『DIE WITH ZERO』では、人生でしなければならない一番大切な仕事は、思い出作りであるとしています。

 

老後の備えは重要ではありますが、老後に何より価値が高まるのは思い出だからです。

 

老後にベッドの上で1日でも長く生き延びるためにお金を使うよりも、若い内の経験、つまり思い出作りにお金を使うべきだというのが、本書の主張になります。

 

この経験は、どんなものでも構いません。

 

人生で何を経験したいのかを真剣に考えてみてください。

 

それが、無料でも効果でも、チャリティーでも快楽主義的なものでもいいのです。

 

あなたにとって有意義な経験に、投資しましょう。

 

ゼロで死ななければ無駄に働くことになる

 

ゼロで死ななければ、無駄に働くことになります。

 

例えば1000万円遺して死んでしまったとしましょう。

 

その1000万円は、あなたが人生の貴重な時間を捧げて稼いだ1000万円ですが、死んでしまったら使うことはできません。

 

つまり、1000万円を稼いだ時間を無駄に働いてしまったことになるのです。

 

そして、その時間を取り戻すすべはありません。

 

そうは言っても死ぬ前に資産がなくなることが不安だという人もいるでしょう。

 

本書では、そんな人のために、「長寿年金」などの金融商品に目を向けるように言っています。

 

私も調べてみようかなと思っています!

 

死ぬ前に後悔することTOP2

 

余命数週間の人たちにアンケートをとった結果が、この本には記載されています。

 

そのアンケートは「後悔していること」。

 

TOP2は以下のものでした。

 

1位 働き過ぎなかったらよかった
2位 勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった
 
 
死ぬ前に人間は、自分の経験に投資しなかったことを後悔します。
 
夢を追いかければよかった、もっと旅行しておけばよかった、家族との時間を大切にしておけばよかった。
 
そんな後悔を抱かないためにも、経験に投資すべきだと、本書は繰り返しています。
 

感想まとめ

 

繰り返しになりますが、この本が伝えたいことは、

 

・ゼロで死ね
・経験に投資せよ
 
 
この2つなのだなと感じました。
 
その割には、ちょっとこの本は分厚すぎます。
 
人生に気づきを与えてくれる本ではありますが、ちょっと冗長な部分があるなと感じたので、途中ちょっと読み飛ばすくらいの気持ちで読んでもいい本かもしれません。
 
とはいえ、この本が教えてくれた教訓は、響くものがありました。
 
私は今29歳です。
 
30代に入ろうとしている今、若い内に経験に投資せよという言葉は響きました。
 
この年齢でこの本に出会えたのはギリギリセーフというイメージです。
 
若い内というのは「今」このときです。
 
キリギリスになることを恐れずに、今しかできない経験に投資していこうと思える1冊でした。